昨年コマーシャルでやっていた、ピリピリ・ジンジンは神経障害性疼痛というフレーズを覚えていますか?「神経障害性疼痛に対するデュロキセチンの使用経験」と題した岐阜市民病院神経内科副部長の香村彰宏先生による講演を拝聴しました。
痛みを発する場所(手や足など)から脊髄神経を伝わった痛み信号は、脳の視床を経由して前頭葉などの痛み中枢にたどり着いて痛みを感じるのですが、痛みが慢性化してくると、視床を介することなく痛み中枢が独断で活性化して痛みを感じてしまうようになるそうです。そのような痛みには抗てんかん薬や抗うつ剤などがよく効くそうで、私の診療でも、関節注射が欠かせなかった膝関節痛がサインバルタ(抗うつ剤)によって著明に改善した方がみえます。
これらの薬は便秘や吐き気、眠気などの副作用が出やすいため使いづらいのですが、人によって効く薬剤が異なるため、何種類も試していただきながら、その人に合う薬を探していくというやり方をするそうです。私もその方にあった薬を見つけて少しでも症状が和らぐよう、努力したいと思います。