昨日開催されましたインフルエンザ治療フォーラムにて、東京大学医科研山下誠先生の「各抗インフルエンザ薬の用法的特徴と問題点」と題した講演を拝聴しました。ウイルスの分野の先生のお話だけあり、治療薬の治験データをウイルス学的に紐解くような、とても興味深いお話でした。1回の内服で速やかに解熱するゾフルーザという新規治療薬が使用可能となっていますが、有効血中濃度が低いために耐性ウイルスが増殖して解熱した数日後に再度発熱をきたす可能性があることや、効果が早く出すぎるために抗体産生が弱く同じ株に再度感染してしまう懸念があるというお話が特に印象的でした。これまでのタミフルやリレンザとどのように使い分けるのか、ケースバイケースで慎重に考えて判断しないといけないと思われました。